君からのヘッドフォン
そう言って、私の頬を人差し指でつつく伊澄くん。

…なんだこれ。

突かれた頬を右手で撫でてみる。

え、何今の。

モテ男がすることはわからんぞ…。


「いつも笑ってたら可愛いのに。
もっとみんなに好かれるんじゃない?」


そう行って笑顔で首をかしげる伊澄くん。

まぁ、俺は今のままがいいかなとか言ってる。


「別に好かれたいと思ってないから」

「ふーん」


なんだか楽しそう。

ふーんでさえもいい声に聞こえてしまう。


学校を出ると、ふわっと吹いた風が私の髪をなびかせる。
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