君からのヘッドフォン
最悪だ、本当に。

今、1番会いたくなかった。


私はこいつのことを、意識してしまっているのに。


「…なんか買いに来たのか?」

「そっちこそ。本は読まないって、お昼食べた時に言ってなかったっけ?」


松下くんが話したことを、覚えている自分に、もう驚くこともなかった。


「あぁ…参考書見に来た」


確かに、手に持っているのは参考書。

本を買いに来たのは嘘じゃなかったらしい。

けどさ、明らかおかしいんだもん。

だって。


「ここ、ラノベコーナーだけど」
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