君からのヘッドフォン
棚に所狭しと並ぶラノベ。

平置きされた有名アニメの原作。

ここを見ろとばかりに置かれたポップ。


「…深井がこの前言ってたやつ、読んでみようかなって思っただけ」

「…そう」


私の目の前で優しく微笑んでいる彼。

すでに制服を脱いで私服になっている。

一回家に帰ったことがすぐわかる。

Tシャツにジーパンなんて、ラフすぎる格好で、しかもそれが変に似合ってるんだから言葉がでない。


「栞帆ちゃん?ここにいたの?
遅いなぁって思ってレジ見に言ってもいないから逃げられたのかと思っちゃったよ」
< 71 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop