君からのヘッドフォン
なんて、嬉しそうな伊澄くんの声が後ろから聞こえる。
ただ、私はすでにそれどころじゃない。

「ん?あ、松下くん」


後ろから私の陰に松下くんを見つけたらしく、あからさまに言葉に出る。


「…あ?あぁ、2人でおかえりですか」


松下くんはやけに寂しそうで、辛そうで。

ラノベを手に取ることはなく、私の横を通り過ぎようとする。


もう、私の頭の中はパニックなんだよ。

あぁ、本当に私に興味持ってるんだとか、
読んでみようかなって言ってくれてたのは本当だったんだ、とか。
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