君からのヘッドフォン
そのせいで、だいぶ怖い表情に見える。


「もう、ちゃんと仕事しなきゃダメでしょ」

「やなんだもん」


伊澄くんは、私の手を引くと無理やり立たせて、そのまま歩き出した。

やーだーよー…。

働きたくないんだって。

ダメなんだってもう、働く立場の人間じゃないの…。


告白されたって言うのに気まずさのかけらも感じないで、私は伊澄くんと過ごしていた。


「そんな可愛く言ってもダメなの。
働かなきゃいけない時は働けっ。

栞帆ちゃんはそんなに仕事ないんだから、今だけでしょ」
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