君からのヘッドフォン
その後もグラウンドに着くまで長々と説教される私。

いや、その声の説教はもはやご褒美なんだけど。


グラウンドについて、お怒りの生徒会長を見た私はとっさに伊澄くんの後ろに隠れる。

この人苦手なんだよね…。

怖いし、怖いし…怖い。


「すいません、遅くなりました」

「3分遅刻。次はない」

「すいません」


伊澄くんはペコペコと謝る。

仕方ないから私もぺこりとしておく。


それから開会式が終わるまで、私は生徒会の皆様の横で台の上のマイクを上げたり下ろしたりしつづけた。
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