君からのヘッドフォン
あいつと…松下柊彩と出会ったときから、それは限界を迎えてきたって。

わかってるの、わかってるけどさ。


ダメ。なの。

あの頃を思い出すと、


あいつが好きだとか、

あれがしたいだとか、

近づきたいだとか。


そう言う感情は、失敗にしか繋がらないように思えてしまう。


『栞帆…俺のこと好き?』


あの頃は、うん、好きだよなんて言って、屈託のない笑みを浮かべていた。

けど、今は違う。
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