君からのヘッドフォン
こんなの、初恋の人とは全然違う。

でも…だから、意識してしまったんだと思う。


声が好きじゃないのは、声を異様に意識してしまったから。

彼とは違う、透き通るような綺麗な声が、耳についてしまったから。


突き放せないのは、突き放す理由がなかったからじゃなくて、突き放してしまうのが、惜しい、なんて感じていたから。

彼とは違う、控えめな口調をずって聞いていたかったのかもしれない。


入学してすぐ、私は松下くんを見に行った。

みんなが言っていた通り、イケメンだった。

かっこよかった。
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