嘘は必ずバレるから
「良くなって、帰ってきて、か〜···」


私はそっと自分の足をみて、動かそうと力を入れてみる


しかし、私の足は何も起きてないように微動だにしない


「····未輝、ごめんね」


仰向けになって右手を目の上におく


私の体は少しずつ、少しずつ、悪くなってる。


両足は動かないし、左手もたまに動かないときがある


本当は今すぐにでも帰りたい


帰って家族でお話をしながらご飯をたべたい


こんな心が弱ってる時、いつも、いつも私の隣には稜がいたけど、今は、いや、もう前からずっと前から稜はいない。


本当はあの時、おめでとうなんて言いたくなかった


私も好きなのにって思った


これから来れなくなるって言われて


嫌だって言いたかったの。


でも、それを言うと稜を困らせるし


稜には未来があるから


私は、ゆっくりと手を下ろして天井をじっと見つめる

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