君は僕のペット
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その人は目の前に来て彼と私の顔を交互に見て誰?と首を傾げた。


私が名前を言うより先に彼が口を開いた。


「 今日から俺の。」



手首を引かれふらついた私を受け止め頭に手が置かれ二回とんとんとされる。




「 …おじゃまします 」


難しそうに眉間にシワを寄せている目の前の男の子は
どうやらこの人の弟らしい。





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私を拾ってくれた同い年の中村蒼くんと
一歳年下の直くん



そしてご両親は海外にいるらしい。





お風呂を借りて特に何もなくぼーっとしていたら隣に中村くんが座った。




「 同じ香りするね、えろいね 」



「 えろい..?」



くすっ、とからかうように笑う彼の顔があまりにも優しくて、そんな笑顔向けられたのが初めてだから思わず目を背けた。






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