この空の果てで
*星が降る夜にでも
こんなことってある?
なんで?
ドラマや漫画の世界の話だったんじゃないの?
何度自分の足を踏みつけてもしっかり痛みを感じる。
わたしが漫画の主人公になることなんて、何かの間違いで起こることもない。
もう一度、前を見るとやっぱり彼氏"だった"ナツキの遺影がある。
たくさんの花に囲まれている棺に、白と黒の幕に、喪服を来た人ばかり。
すすり泣く声。
「……間違いじゃないの……」
思わず口から漏れた言葉はありきたりだった。
「……ほ、本当だよ……」
隣で友達のワカナがわたしの腕をきつく掴む。
わたし以上に動揺していた。
涙もボロボロ溢れている。
……わたしが、泣けないわたしが悪いみたいじゃん。
でも、ワカナはわたしが悲しすぎて泣けないのだと解釈しているらしかった。
……そもそも、わたしがナツキと付き合ったのが間違いだったのか。
そりゃあそうだ。
あんなにキラキラしていたナツキにわたしなんか釣り合うはずがなかったのだ。