この空の果てで



……席の確認忘れてた。



今ならそいつらがいないから行きやすい。



"そいつ"の横を通り過ぎた時、声を掛けられた。



「野木さんでしょ?

席ここだって」



「……ここ?」



なんと、むかつくそいつの隣とは。



同じクラスってだけでげんなりしたのに、隣の席なんて1年やっていけるか分からない。



とりあえず、学校へ行き続けることが今年の目標だ。



即決。



「そ。よろしく」



差し出された手にまでむかついた。



振り払ってから、しまったやりすぎたと反省する。



「……あ、ご、ごめん……」



最悪だ。気まずい。



これから数ヶ月はこの席で過ごさないといけないのに。



「……席、ありがとう。

あと、手、本当にごめん……」



「いいよ、別に」



その日はこれで終わりだった。



戸部くんが怒っているのかはよく分からないけれど、怒っていないことを願っている。







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