この空の果てで



わたし、すごくあまのじゃくだから素直に好きとか言えなくて、薫はわたしの事をどんな風に見ていたかは分からないけれど、本当に好きなんだよ。



あの日の放課後、やっとわたしは「好きだよ」って言える準備が出来たのに、君は目の前で倒れた。



病気のことを、なんにも知らなくて、頭が真っ白になった。



余命わずかだったということも。



救急車を待つ時、なんで、って思っていた。



でも、気付いたんだよ。



「わたしがもっと自分の気持ちを素直に伝えられていたら、薫は病気のこともわたしに言えたのかもしれない」って。



何日かして、意識は戻ったけれど、何も食べられなくてどんどん痩せ細っていく薫を見るのがわたしはつらかった。



でも、薫が泣いていないのに、少しでもわたしを励まそうとしているのに、泣くのは違うと思ったから、泣かなかった。



これは、わたしの意志なんだから薫は責任なんて感じなくていいからね。



むしろ、弱いわたしを怒ってほしい。



< 92 / 92 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

青は奇跡

総文字数/76,746

青春・友情177ページ

表紙を見る
空色予報

総文字数/0

青春・友情0ページ

表紙を見る
群青色の空

総文字数/39,605

恋愛(純愛)90ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop