言わせたいくらいに君が好き。

ソウダンゴト

「どうしたらいいのかな…?」
事情を全て説明して言葉を促す。現状打破の策として、私は男の子に相談をしてみることにした。そもそもに私はクラスであんまり社交的ではなく、男の子と喋ることなんてほとんどない。というわけで相談相手は、いとこの涼平になった。自分だけや同性だけの意見では、やはり限界があると思ったからだ。
「まぁ、そんくらいで嫌われたりはしないと思うけど、やっぱり言って欲しいとは思うんじゃないの?1回思い切って言ってみなよ、姉ちゃん。」
「やっぱりそうだよね…それが出来たら苦労しないんだけど…。ていうかさ、いつまで私の事『姉ちゃん』って呼ぶつもりなの?」
「今更変えろって言われてもなぁ。でも姉ちゃんだって、俺のこと『涼くん』じゃん。人のこと言えなくね?」
そう言われてみればそうか。別になにか不都合がある訳でもないし。
「あとは、態度で示すとかじゃない?例えばキス、とかさ」
「キ、キス!?」
思わず赤面してしまった私に、涼くんはクスクスと笑う。
「ウブだなぁ、姉ちゃんは。そんなんじゃ彼氏さんも大変だろうね。」
「余計なお世話よ。それじゃ、今日は参考になったわ。ありがとう。」
「うん。相談に乗ってあげたんだから、ファミレスの代金はお姉ちゃん持ちね。」
ちゃっかり押し付けてきた。レシートを見ると、ほとんどが涼くんのだ。
「ちょっと涼くん!最初からそのつもりで…。」
そう言えばデザートを沢山頼んでいた気がする。全部私に持たせるつもりだったのか…。
「そういうそと。ご馳走様でしたー!」
涼くんはちゃっちゃと走って言ってしまい、私は仕方なく1人の値段より3倍近い額を払い、ファミレスを出た。

瞬間、横から伸びてきた腕に手を掴まれた。
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