太陽とツバメ
「そう言えば、名前言ってなかったね」
少年はそう言って自己紹介をしてくれた。
「俺は時雨朝日(しぐれあさひ)」
時雨朝日…。どこかで聞いたことがあるような…。
「よろしくね、椿芽」
「…よろしく、時雨さん」
「時雨さんじゃなくて朝日ね」
「え、…わかった、朝日」
時雨さん…じゃなくて朝日の威圧がすごくて頷いた。
「おっと、もう時間になるから教室行こうか」
「……私は…」
行かなくていい、かな…。
あまり、…いや、かなり教室は居心地が悪いから…。
私はそっと俯く。
「椿芽?」
「私は行かない…」