新月の夜はあなたを探しに
「黒葉。何回もいってるけど俺はおまえがこうやって隣に居てくれるだけで嬉しいんだ。笑ってくれて、手を繋いでくれて、一緒に歩けるのが幸せなんだ。………おまえもそう思ってくれてるんだろ?」
「そうなんですけど………。」
「はい。これ、黒葉に。」
「え………ありがとうございます。これは?」
「クリスマスプレゼント。」
そう言うと、先程買ったプラネタリウムのお土産を渡した。
話の途中だったからか、戸惑いながらも、黒葉は「ありがとうございます!」と笑顔でそれを受け取ってくれた。
「あ、星の図鑑だ!それにプラネタリウムの映像もある。今日見たのですね。」
「あぁ……面白かったんだろ?」
「はい!………あ、まだ何か入ってますね。小さな箱が……。」
袋の中にあった小さな箱を見つけて、黒葉は不思議そうにしながら、箱を開けた。
「あ…………これって、葵音さんが作った………。」
「あぁ、ピンキーリングだ。小さな星をつけてみたんだ。」
「すごい………綺麗です!可愛いですっ!!………わぁーキラキラしてる。」
黒葉は嬉しそうに、その指輪を見つめていた。葵音は少し恥ずかしそうにしながら、その指輪を取り、彼女の左の小指にピンキーリングをはめた。
彼女にピッタリ合い、そして、星空から落ちてきたかのようにキラキラと光っていた。
「黒葉は、星詠みの力で俺を守ってくれた。もうその力は使えないかもしれない。………けれど、その星がいつも見守ってくれてるはずだから………それに、次は俺が黒葉を守るから。」
「………葵音さん…………。すごく嬉しいです。これなら、昼間でも星が見えますね」
嬉しそうにそう言って微笑む彼女は、とても綺麗で葵音はドキリとしてしまう。