ひだまりの詩


中学を卒業して1週間が経った頃、

家の玄関のベルが鳴った。


その日は家には俺1人だけで、

俺は部屋で本を読んでいた。


誰だろうと思ってドアを開けると

紗奈が泣きじゃくっていた。


ただでさえ色白の紗奈の顔は白を越して

ひどく青ざめていた。



「ど、どうしよ、陽く、私、ッウ、グスン」



「どうしたの、紗奈。

泣いてちゃ分かんないよ。

なにがあったの? 落ち着いて?」



「お、お母さんが、じっ、事故に、ヒック」

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