ひだまりの詩
「そっか。わかった。大変だったね。
紗奈は今お仕事してるの?」
「うん、保育士してる。」
「ああ、遠足に行ってたんだって?」
私はそこで思い出した。そうだ。遠足。
「あっ、私、どうしよ、迷惑っ、ハッ、っ」
どうしよう。原田先生に迷惑かけた。
子どもたちをびっくりさせちゃった。
どうしよう。体弱いって思われちゃう。
どうしよう。嫌われる。怖い。
私はだんだん頭が真っ白になって
息が苦しくなった。
「おいっ、紗奈、さーな、ゆっくり息して。
大丈夫、怖くないよ。大丈夫。」
陽くんが声をかけてくれるけど、無理だ。
息ができない。苦しい。