卒業式の祈り
屋上
「約束したもん」
校舎の屋上のベンチに一人で座りながらつぶやいていた。
あの後、みんなから哀れむような視線を向けられた私は、トイレに行くと言って教室を抜け出した。
1ケ月前に彼と約束していたんだ。
「サラ、卒業式の日、終わったら時間くれる?話したいことがあるから。いつもの場所で待ってて」
恥ずかしそうに言う彼を見て、私の胸は高鳴った。
「うん」
素直に頷いて、顔を見合わせて微笑みあった。
私だって、バカでも鈍感でもないもん。