卒業式の祈り
お願い、戻ってきて。
もう一度目を開けて。
死なないで。
ずっと、傍にいて。
先程とは変わらない澄み切った青空に私の祈りをこめて見上げた。
校舎のあちこちから、ザワザワと生徒達のはしゃぐ声が聞こえてくる。
しばらくぼんやりして、屋上の入口を見つめていた。
だけど三井くんは、姿を現してはくれなかった。
病院にいるはずの彼がここに現れるわけはなく、それはしごく当然のことなのに、その事実が私を打ちのめしていた。
ビュッと大きく風が吹いて身震いした。
私は、屋上のフェンス越しから下を見下ろした。