卒業式の祈り
「サラちゃん、来てくれてありがとう。今診察中だから少し待っててね」

「は、はい」

病室の中では医師と数名の看護師さんがいるみたいで、話し声がしていた。

診察が終わるまで、私と姉と彼のお母さんは廊下で待っていた。

「まだ、目を開けたばかりで本人も困惑しているみたいなの。事故にあったことすらおぼろげみたいで。ただ、あの子、サラちゃんに会いたがってるみたいだったのよ」

お母さんは、久しぶりの笑顔を見せてくれていた。
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