虹が架かる手紙
そして、9月中旬。



気味が悪いくて、恐怖がたまらなく私を襲う。



私がいるのは人気の無い古い校舎の誰も出入りしない1階の教室。



私たちの学校はふたつの校舎が繋がっており、片方の校舎はかなりボロボロで大きい地震が来たらもつか分からないのでもう少しで建てなおす予定になっている。




この教室は窓が小さくて光は全然入ってこなくて電気は気味悪く付いたり消えたりを繰り返す。




聞いたことがある。




この教室は霊が出ると有名で誰もが入ることを恐れる教室。



そしてなぜこんな所にいるのかというと、
古い校舎を綺麗にしてから立て直すという計画がたたれたみたいで珠里たちの班の掃除場所になったものの、怖くて私に押し付けてきたから。



でも私、こうゆうの無理なんだよ。




とりあえず怖いので隅っこで背中を壁に付ける。




教室にあるものは机と物置っぽい棚が何個か、そして傷だらけな黒板。



普通の教室よりは少し小さく、昔は部室として活用していたらしい。



暗い、何も起きないよね?



大丈夫だよね?




でも、霊よりも人間の方が今の私には怖いかもしれない。



誰も私を見ていない、誰も私を傷つけようとしてこない。




私の教室よりはこっちの教室の方が私にとっては居心地が良いかも。



なんだかそう思うとこの部屋が急に怖くなくなった。




暗さにもだんだんなれて、とりあえず掃除を始めようと動き出す。



棚を少し覗いて掃除道具を取ろうとしたら
鉛筆立てや、教材類、そしてなにかの賞状、あと小さな白い箱などが入っていて掃除道具は入っていなかった。



目に留まった謎の白い箱を取り出してみる。


手に持って見てみるとそのには大きな文字で『お悩み相談箱』と書かれていた。



相談箱………



悩みか……そんなの山ほどあるよ。



中を少し覗いて見ると、何も入っていなかった。



近くには沢山のそれ用の白い紙、鉛筆があった。



誰も見ないのなら、と私はその紙を手に取って一言書こうと鉛筆へ手を伸ばす。



悩みなんて溜まりに溜まっている。



それを一言に書こうと思うとかなり難しい。




何分か迷ってほこりが被った紙に書き出す。



そして2回折り返し相談箱の中に入れる。



見られませんように、でも誰かに見てほしい。



私の想いが誰かに届いて欲しい、見られることはないのは分かってる。




分かっていたんだ………

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