虹が架かる手紙
どんなにもがいたって逃げ出すことはできない暗闇。
私の世界に白い光など存在しない。
足されていく色は濃い色ばかりでずっと変わりない黒を嫌という程に作らせる。
永遠に薄くなることなどない、平行線上に私は息を潜めるしかできない。
早く、学校という狭く汚い願望が入れ混じった場所から抜け出すことが出来る日になって欲しいと何度思ったことか。
何度も蘇る記憶も全て黒色で淡かったはずの記憶さえも真っ黒に染められて、いつしか思い出すことも避けるようになった。
『七彩っていい名前ですね。 虹みたいに7色に輝く、キラキラした富永さんにぴったりです。』
そう言ってくれた彼のことも忘れてしまって、誰に言われたのかも分からない。
嘘、本当は覚えてる。
その彼は私のせいで未来を黒色にさせてしまったのだから、忘れることはない。
忘れたいのに、忘れちゃいけない人、忘れることなどできない人、忘れることなど許されない人。
それに、私はキラキラなんてしていない。
過去の自分も今の自分もどっちも、両方嫌いだ。
自分の心を押し付けて、人に合わせて悪口ばっかりで過去の自分も汚い。
それなのに、彼の目には私はどう映っていたのか疑問になるほどなことを言い出して、彼の思い描いている私とは程遠い私がここにいて、罪悪感で埋め尽くされていたのを覚えてる。
ねぇ、君は今どうしているの?
知りたいけど、知りたくない、矛盾した気持ちで胸が引き締められる。