虹が架かる手紙


『いじめ』の被害者が私になったのは、2年生になってから一週間後のことだった。



9月になった今でもさらにエスカレートしながらいじめは続けられている。




何ヶ月も我慢しながら、苦しんできたのにまだ終わりそうに見えない『いじめ』は、いつまで私を苦しめたら満足なの?



彼を裏切って自分がやられるのが怖くて逃げたことの罪を償えっていうの?



私は何をしたら、助けてもらえるの?








いいよ、もう助けなくて、何にも期待なんかしてないから。














1年生の時、私は背伸びしたグループに入って愛想笑いばかりしていた。



入学式から、しばらく経っても私は1人のままで周りは固まり出して焦り始めた時に有原珠里(アイハラ ジュリ)が声をかけてくれた。




珠里は優しくて、『富永さんって可愛いね!お昼一緒にどう?』と言われてから、私は毎日のように一緒に食べるようになった。



その他に珠里の友達の4人も一緒に食べるようになって、毎日がとても楽しくて笑ってばかりだった。



私はすごくキラキラとしたグループに入ることが出来て、周りからは近づきにくいと思われるようになっていた。



それでも、みんながいれば楽しくてだから大丈夫だと思ってた。



でもそれは最初だけで、いつしかグループの1人の悪口を口々にいうみんなが怖くなった。



それぞれ、闇を持っていて嫌いとか言っていた人にも普通に接していて、これがウザイとか言ってた場面も笑っているし、だんだんみんなが離れていった気がした。




『ね?七彩もあいつうざいと思うよね?』




私はその質問をされた時も、首を横に振ることができずに『うん、まぁね。』って賛成してしまったり。




『そうかなー?』とか中央を行くことも出来たけど、このグループから追い出されることだけは嫌だった。




だから、安全そうな道を通るしか私には出来ない。




嫌われないようにとか、そっちの方に気がいってしまって愛想笑いばかりで、表面だけの関係になっていた。







それだけだったらまだ全然大丈夫だった。







ある日を境に私はグループの召使いになった。



そうなった理由は何もないはずだった。



彼女たちの意見に反論は出してないし、嫌われる行動も裏切りもしていない。




その日以降は


カラオケに一緒に行こうと、私を誘う時はほぼ私にお金を払わせる。



私はお金を払うために呼ばれている、それなのにNoとは言えない自分も嫌になる。




『返すから、お金貸して?』って頼まれた時は『お金ちょーだい』っと言われているようなもので、私は何のためにこのグループにいるのかが分からない。




自分を見失って、どんどん荷物が重くなり息詰まった時に相談していた人がいた。




でも、私の一言のせいでその1人の男子が私たちのグループからいじめられた。



私が、守ってあげれば良かったのにもう精神的の疲れを理由に私は動けなかった。



違う、動かなかった、



微かに繋いでいた細い糸を切りたくなかったから、ただそれだけで自分に言い訳をしていたんだ。




今の状況でも苦しいのに細い糸が切れたら、私はもうどうなってしまうのか、考えるだけで怖かったんだ。






その、『いじめ』が始まった時のことは、もう何回も頭の中で再生してきて、消すことなどできない瞬間だった。

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