犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
なんて、自分で自分に納得しながら商業施設に向かって歩いた。
今回のデート、実はちゃんと仕事をしに来たっていう目的もある。
実際、落とせない企画なだけに、考え込みすぎて俺の案が全然浮かばなくなっていたのも事実。
だから、あえて守屋を連れてコスメの店に入ることで、自分へのインスピレーションを湧かせるきっかけになるんじゃねぇかと考えていた。
店について店員さんに聞いたら、それはもう膨大な量の情報を教えてくれた。
守屋に提案されるコスメのカラーはやっぱり明るめの色や、ラメ入りのものが多くて、
やっぱそっち系の方向性でいくか。
となんとなく考えを固めて行った。
どこの店に行っても店員さんがそれはもうご丁寧に説明してくれるせいで、どんどん時間がなくなっているのも事実。
隣の守屋なんて疲れ切った顔してるし。
マズい、このままじゃなんにも残らないまま終了なんてことも有り得てしまう。
と焦りに焦った俺はとりあえずカフェに入って休憩することにした。