犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
コーヒーを飲みながら休んでいると、さっきのコスメの情報がなんとなくスッキリ頭の中で整理されたような気がする。
目の前でちょっと気が抜けた表情をする守屋が可愛くて、俺も少し気が抜ける。
リラックスして俺がコーヒーを飲んでいると、守屋は俺の事をじっと見て、なにやら考え事をしているようだった。
そんなに見られたら結構緊張すんだけど?
と思いながらも、何事もなかったかのようにコーヒーを飲み続ける。
守屋に見つめられてるせいで、正直コーヒーの味が全くしない。
ただ緊張してなのか、喉が乾いてたまらなくて飲んでいるだけ。
そんな状態がしばらく続いて、なにか話そうかと話題を探していると、
「ね、とびきり素敵な女の格好させようとしたのって、浅香の彼女役するため?」
と不思議そうに守屋が俺に質問した。
なるほど。そんなこと考えながらじっと俺の事見てた訳ね。
ま、予想全く外してるけど。
そんな理由なわけねぇだろ。俺の心はもっと下心満載だわ。
なんて思いながらもそんなことが言える訳もなく。
「おー。よく分かったな。
俺に釣り合う女はとびきり素敵じゃねぇとな?
信憑性ねぇじゃん?」
といつもの『浅香』としての返事をした。