犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
「ダメ〜〜!!!」
そんなふうな言い合いの後、俺は結菜に飛ばされて、結菜は急いで顔を洗い始めた。
あの細い腕にそんな力があったのかと驚くけど、今それどころじゃないらしい。
「ヤバいヤバい!!」
と言いながら素早くいつもより華やかなメイクをして、水色の背中が綺麗に開いたパーティドレスを身につける。
わー。その背中で行くのかよ。
と不機嫌に思いながらもいつもよりもさらに綺麗な彼女に見とれる。
「ちょっと!孝弘!なにぼーっとしてるの!?早く行かなきゃ!!!」
といきなりしっかりした結菜に腕をひかれ、急いでタクシーに飛び乗ると、「桜ヶ丘ウエディングまで!」とタクシーの運転手に告げた。
会場に着くと、急いで受付を済まして、花嫁の控え室に向かった。
「え、俺も行っていいの?着替えてたらどーすんの?」
「いいから!はやく!着替えなんてもうとっくに済んでるわよ!」
なんて会場に来てまで言い合いをして、花嫁控え室まで到着した。
扉を開けると、白いウェディングドレスに身を包んだ武部さんがいた。