犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
そして、そのまま計画通りに、ランチを食べて、アクション映画を見る。
映画の中の大きな音にビクッとびっくりしたり、ポップコーンをとるときにたまたま重なった手を急いで引っ込めたりと、
その行動がいちいち可愛くて俺は映画どころではなかった。
今度は一緒に恋愛映画とか、ホラー映画とか見てみたい。というより、それを見る守屋の反応が見たい。
恋人同士になれたら、どれだけ幸せだろうか。
なんて考えながら過ごしていると、時間なんて一瞬にして過ぎてしまった。
映画が終わって、また守屋と手を繋ぐ。
俺の手が触れるとビクッと反応しながらもぎゅっと手を握ってくれる彼女に俺がどれだけドキドキしてんのか、守屋にはきっと伝わってねぇんだろうな。
しばらく歩いて、車に戻ると、俺は守屋を連れていけたらと前から思っていたレストランの名前をナビにうちこんだ。
「ちょっと、ディナーは遠くに出ようと思って」
俺の言葉になんの反論もなく、うんと頷いてくれた守屋にやっぱり今日はひと味違うと今後の展開を期待せざるを得ない。
少しは俺のこと、男として見てくれてんじゃねぇかと思って上機嫌で運転していると、
海が近くに見えてきた。
「綺麗...」
なんて言いながらうっとりする守屋を見て、やっぱりここに連れてきてよかったと思いながら店の駐車場に車を止めた