犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
「あ、あぁ。」
「大丈夫!守屋さんは、私にヤキモチ妬いてます!
というか、そうなるように仕掛けておいたので。
なんか、浅香さんと守屋さん、放っておいたら全然いい方向に進まないような気がしたので、私からの手助けです!」
正直、桜木の気持ちは全く理解出来ねぇけど、要は俺の味方をしてくれるってそういう意味らしい。
俺の事が好きなのに、なんでこんなこと出来んの?
俺、たとえ守屋がどんだけ三宅のことが好きでも守屋の手助けとか出来ねぇわ。
なんて思っていると、ポロッと頭の中の言葉が口に出てしまった。
「お前ってさ...俺の事.....」
「好きですよ?顔がね?
彼氏として私の隣に居てくれたらな〜とは思ってますけど〜。
守屋さんにしか興味なさそうだし、私のこと付き合っても絶対大事にしてくれなさそうなので、もういいかなって!」
「はぁ?なんだそれ。」
やっぱりこいつの脳内は全く理解できない。
「ま、理解出来なくていいんですよ!
とにかく!
私は浅香さんの味方なので!!
なんでも言ってくださいね?♡
じゃ、お先に失礼します!今日は合コンなんで♡」
そんな言葉を残してすたすたと帰っていく桜木の背中を見て、わけも分からない気持ちになりながらも、あんな強さがあって羨ましいなと思った。