犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
「自分の恋愛より浅香さんの恋愛っておもしろいですもん。
それに、言いましたよね?
ふたりには付き合ってもらわなくちゃ困るって。
なんか応援したくなっちゃいますもん。浅香さんが必死すぎて。」
そう言いながらケタケタと笑う桜木にイラッとしながらも協力してくれてる分なんにも言い返せない俺。
俺、マジで何やってんだよ。
そんな俺の気持ちも知らないで、桜木はどんどん言葉を付け足す。
「でも、浅香さんって遊びたくならないんですか?
守屋さんほどじゃないけど美人な女性とか、男の人が好きそうな体型の女性とか...よりどりみどりの状況なのに。
守屋さんのことがいくら好きだっていっても、男性の欲ってそんな純愛を貫けるほど弱くないですよね?
実際浅香さん、大学時代はプレイボーイだったって聞いたことありますし。」
なんとも納得いかないような表情でそんなことを問い詰めてきた桜木に、確かにな。と第三者みたいに共感した。
「まぁ、お前の意見が世の中の正論だろうな。
けど、自分でも驚くほど、他の女に欲が湧かない。
守屋じゃねぇと、どうせ満たせねぇし。
その分守屋と一緒にいたら、自分がきたなく思えるくらい欲ばっかだけど?」
そんな俺の言葉に、いいなぁ〜。なんて言葉と一緒に、桜木はため息をついた。