犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
策を乱す思いがけない失態



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「浅香くーん♡これ飲んで?」
「私も酔ってきちゃったから、私のも飲んで?」
「浅香くん、このあと2人で抜けよ?♡」




俺の腕にまとわりついて、大きくて自信に満ち溢れてるんであろう胸を俺に押し付けてくる女たち。


邪魔くせぇな...。



そんなことを心の中で思っても、表に出したらそれもそれで『相手してよ〜』とか、めんどくさいこと言われんのも目に見えてる。



だから俺は当たり障りのないように相手をしているわけだけど…


ほんとうに邪魔だ。



さっきから守屋が俺の方を軽蔑したような不機嫌な目でチラチラと見てくる。


だから違ぇんだって。
俺はこんなにお前だけなのに、しかもあんなキスしたのになんでお前は気付かねぇんだよ。



なかなか俺の思うように進まない物事に少しイラッとしていると、三宅が守屋の方に行くのが見えた。



あーやばい。このままじゃ絶対マズい。



とは思いながらも周りの女が邪魔すぎて動けない。



あーもー。最悪。



なんとなく予測できていたこの結果にやっぱりため息が止まらない。



「浅香くん、疲れちゃった〜?」
「あたしとアッチで休む?♡」



なんてくだらない女達の誘いを適当に聞き流しながら、もう身動きが取れないこの状況に諦めをつけて、遠くから守屋の様子を注意して見ることにした。



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