犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
でも今度の相手は一途で有名な三宅だ。
同期会の時も、守屋のことをずっと見てたのは知ってる。
俺はなんとなくヤバいと思って、このままじゃいけないと自分を奮い立たせた。
そんなとき、ちょうど春の限定コスメの企画の話が出た。
企画書に書いてある発売日予定日を見て、これだ。と思った。
3月7日。
守屋の誕生日だ。
俺はその日に絶対に告白しよう。と決めて、その日までの作戦を立てた。
デートに誘って、男として意識させたあと、押して引いての戦法通りに、しばらく様子を伺う。
そして、彼女が気にしなくなったくらいの時期にもう一度押して、彼女の気持ちをなんとなく、確かめてから誕生日に俺の考えたコスメと一緒に告白する。
そんなシナリオ。
4年も思いを伝えられなかったのに、そんなに上手くいくか?
とは俺自身も疑問だったけど、とりあえずやってみるしかない。
でも、正当法で守屋に迫っても、どうせ女好きだとか、遊びだとか言われてあしらわれるに違いない。
どうやってデートに誘おうか。
まずそこから。俺は考えた。
普通の誘い方では彼女は絶対にデートに来てくれるわけがない。
だから、守屋が大好きな仕事の一環としてデートすることに決めた。
デートの誘い方は少々強引で、守屋自身はデートだと思ってないだろう。と思ったから俺は彼女を少しでも揺さぶれれば。と思って
「お前が思うとびきり素敵な女の格好してこい」
と言葉を残した。