犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
夢だと思って忘れて。ねぇ…。
そんなの無理だろ…。
俺の心の中には潤んだ瞳で誘惑する守屋も、女らしい優しい香りも、吸い付くような柔らかい肌も、キスの気持ちよさも…
何もかも残ってるって言うのに。
そんな、忘れろなんて無理だろ。
『大好きになっちゃいそう…』
そう呟いた守屋の気持ちを忘れて無視なんて出来ねぇし。
というか、きっとこのメッセージを送るってことは守屋はなんにも覚えてなかったってことだ。
覚えてなくて、朝起きたらお互い裸で寝てる状況に陥ったらだいたい勘違いするし、
俺の気持ちも伝えたつもりだったけど、たぶんそれさえも覚えてないし…。
ってことは本当にやばくねぇか?
しかも、社内で謎に出回っている俺の女癖の悪い噂のせいでアイツも勘違いしているわけだし。
めちゃくちゃ話したいってゆうか、話さないと誤解されたままで嫌悪感さえ抱かれるんじゃねぇか?
と心で思っても、男は黙って首を縦に振るしかねぇし。
守屋がきっと考えに考えて送ってくれたメッセージに楯突くことも出来ず…。
俺は『わかった』としか、返事をすることが出来なかった。