犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら



その言葉に俺がどこまで救われたか。


高橋はすぐに彼女の部屋に行ってしまったけど、俺は高橋の言葉に自分自身の行動を振り返って、なんとなく、俺のこれまでは正しかったと報われたような気がした。



そして守屋の部屋に向かうために気持ちを高めようと窓を開け、自然の空気を吸い込もうとすると、そこには楽しそうに微笑み合う三宅と守屋の姿があった。




ウソだろ…。



そう思ったけど、時すでに遅し。




よく良く考えれば、分かる事だった。


最近、守屋が三宅と遠藤と飲みに行ってることは社内の噂でなんとなく分かってたし、それはそれでもう仕方が無いと割り切ってた自分もいた。



ならこのくらいの想定は出来たはずだ。


ずっと三宅は守屋のことを狙ってたんだから。



改めて浅はかな自分にガッカリして、三宅に優しそうに微笑む守屋を見て、俺にもその笑顔向けてくれよとその背中に呟くしかなかった。


それと同時に、守屋の履いているスカートが女性らしくふわりと揺れる度に、三宅のためだったのかと嫉妬の気持ちを抑えられなかった。



< 60 / 112 >

この作品をシェア

pagetop