犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
こんな時に助けてくれるのはやっぱり同じ部の先輩や後輩で、
「浅香さん、一緒に風呂でも回りましょうよ」
「浅香!ちょっと風呂まわりながら酒でも飲もうや」
と声をかけてくれた優しい先輩や後輩に連れられて、なんとなく沈んだ気持ちのまま、温泉街へ向かった。
温泉に入ると、付きまとう女もいねぇし、気持ちよくて、俺のムシャクシャした気持ちもなんとなく晴れるようなそんな気分だ。
「それにしてもあれだよなぁ〜。
浅香と守屋さんの言い合いが見れなくなって、俺らも残念だよな」
東さんという先輩がそんなことを言い出して、周りの人も同調し始めた。
「ほんと、あれ結構面白かったのになあ」
「守屋さんのあんな顔、浅香にしか出せねぇよな〜」
「すっげぇ仲良かったのに、むちゃくちゃ勿体ないっす」
そんな声がたくさん聞こえて、俺は正直涙が出そうになった。