犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら



「いや、俺も正直寂しいんすよ。
でも、俺がまいた種っつうか、いい加減向き合わねぇといけねぇんすけど。」



そんな俺の言葉に1人の先輩がトンと肩を叩いて



「仕方ねぇよ!
お前が守屋さんのこと大事に思ってんのはみんな分かってるし、あんだけ好きだったら冷静になれねぇこともそりゃあるだろうよ


何があったのかは知らねぇけどさ、
俺だって、三宅くん?にとられんのは嫌だぞ?
企画部の高嶺の花が、営業部にとられてたまるか〜!


守屋さんの隣には浅香が1番だ。俺らはみーんな、お前のこと応援してるよ」



とあつい言葉を俺にくれた。



今ごろ守屋は三宅と笑顔で楽しんでるのかもしれねぇし、もしかすると、告白されてるかもしれねぇ。



このあとの守屋の表情を見て、多分、俺は機嫌悪くなるんだろう。



でも、絶対。何があっても三宅に守屋を譲るわけにはいかない。



5年間の思いはそう簡単に諦められるものじゃねぇ。



だから正々堂々と戦ってやろうと思った。



俺は、心の底から、守屋のことが好きなんだから。


俺は先輩、後輩に感謝しながら決意を固めた。




< 62 / 112 >

この作品をシェア

pagetop