犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら




そんな俺の顔を見て、何故かそのままストップしてしまった守屋。


ん?俺なんかマズイことでも言った?


なんか問題があったのか、酔った頭でフル回転して考えていると、



「よく言うよ。」


と守屋が呟いた。


はぁ?
またどーせ俺が女にちやほやされて喜んでるとでも言いてぇのか?


俺はこんなにもお前のことしか考えてねぇっていうのに。


そう思うと、俺は心の中に溜め込んでいたであろう三宅の事まで文句として出てきてしまった。



「おい。どーゆう意味だ。
っていうか、お前の方が節操ねぇだろ。
今日、営業部の三宅とふたりで居たって?
さっき周りの女たちが言ってた」



そんな俺の素直な文句に対して、どんどん不機嫌になるのがわかる守屋の表情。



「はぁ!?それだけで節操ないになるわけ?
別に。三宅くんの妹さんのお土産一緒に選んでただけだし...」



そんな守屋の返しにも、やっぱり心の中にある思いを出してしまう俺。



「ほんとにそれだけか?
三宅に告白でもされたろ。宴会中、お前三宅のこと見すぎ。」



そういった俺の言葉に対して、少し黙り込んだ守屋を見て、
やっぱり三宅のことが好きなのかよ。
もっと言い返せよ。
『別にそんなんじゃないから』
『勝手に決めつけないでよ』
っていつもの言葉で言い返せよ。


そんな俺の切実な思いが俺の心の中に漏れた。



でもそんな俺の思いとは裏腹に、守屋の口からは否定的な言葉は何一つとして出てこない。



そんな様子に焦った俺の口からは

「で?お前。三宅のこと好きなの?」


なんてストレートな言葉しか出てこなかった。



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