犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
「じゃあ、また明日。だな」
言葉にすると、離れるのが余計に寂しく感じる。
守屋も同じ気持ちだったのか、握った手を離そうとしない。
あ〜マジ可愛い。
そう思って玄関のスペースに入って抱きしめようとすると、
「.......部屋の中入る?」
なんて言われてしまった。
「お前、それ誘ってんの?」
そんなつもりで言ってないとは分かっていながらも、男のことを全く理解していない言動に半ば呆れる。
俺の言葉にブンブンと首を横に振る守屋がやっぱり愛おしくて、でも危なっかしくて、
「だろーな。お前、そーゆうとこがタチわりぃんだぞ」
と軽く説教をした。
「部屋入ったら、我慢できなくなるだろ。
どーすんの?途中でほかの3人帰ってきたら。」
そんな俺の言葉に顔を真っ赤にして恥ずかしがる守屋が堪らなく愛おしい。
「あーこういう時のお前ってマジで可愛いよな。
我慢できねーから、キスは貰う」
そう言って重ねた唇は、まるで恋人がおやすみのキスをするようで、俺はなんとなく擽ったかった。