犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
落ち着いて。俺の想いが伝わるように。
それだけを胸に俺はプレゼンを始めた。
テーマは『魅力的で魅惑的なリップ』
守屋とキスする度に、熱っぽい表情をする度に、何度も魅力的だと思った。
そして、自分好みの色っぽいリップを付けて、守屋からキスしてきて欲しいと思った。
そこにインスピレーションをもらって作った今回の企画。
「春は出会いの季節であり、別れの季節。
そんな中で恋愛も発展しやすい季節です。
異性にアピールするポイントとして、今、注目されているベースメイクやアイメイクではなく、その人の形や質感をそのまま活かせるリップに僕は着目しました。
カラー展開も、春コスメだからといって定番の薄ピンクではなく、主張の強い赤に近い色にすることで、唇を印象的にし、恋する相手を魅惑できるようにという意味を込めました。」
なんて語ってはいるけれど、全ては守屋が俺に魅惑的に迫って欲しいという願望と妄想で出来上がった企画だ。
企画のためとはいえ、俺って結構変態だなぁ。なんて思いながら案外冷静にプレゼンを終えた。