犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら
「じゃ、いよいよ本題です。
今回のリップを思いついたきっかけはなんだったんですか??」
「めちゃくちゃプライベートな話なんすけどね。
僕は入社してからずっと好きな人がいるんですよ。
彼女は悪態をついたと思ったら、不機嫌に口を尖らせて、そんな彼女がとても可愛くて。色っぽいし。やっぱ男は女性の唇にはかなり弱いんで。
でも、彼女は全然俺の事を男として見てくれなくて。最強の武器の唇を俺に向けてはくれない。
だから、もっともっとその魅力的、で、魅惑的な唇で俺の事を誘惑する未来を望んで、俺はこのリップを提案したんですよ。
って変態チックですよね。
このリップが商品化したら、もちろんその彼女に1番につけてもらいます。それまで本当に完成が楽しみな毎日ですよ」
そんな俺の言葉に一瞬かなり驚いたような顔をした佐野さんだったけれど、途中なら素敵〜と言ってくれるようになった。