犬猿だったはずの同期を甘く誘惑したら



「私ね、浅香のことが大っ嫌いだった。
朝ギリギリに来て、だらしないくせに仕事はサラッとこなすし、女の子には適当でチャラチャラしてて...要領よくなんでもスカして成功させてる、そんなアンタが嫌いだったの。」



いきなり何かと思ったら文句から始まんのかよ。参ったな。

なんて思いながら
「すごいイメージだな」と笑った。




「でも今では仕事は努力の上の結果なんだって知って尊敬してるし、特定の彼女作らないならそれでもいいかって。
他の子の相手するくらいなら.......
私にしてよって思うくらい。浅香からのキスも。関係性なんかもういいやって思えるくらい。浅香が大切な存在なの。」




……ん??




「ちゃんと言っておくけど、私は付き合ってもない男の人とラブホテルでその...そうなるのも。
あ、あんなふうにキスするのも...
初めてだから。浅香とだけだから。
福岡行く前にどうしても話しておきたかったの。いつ行っちゃうか分かんないから…
このまま福岡と東京で離れ離れになるのなんて嫌だし。
...........でも、私は福岡に行っても、アンタのことその.....」



守屋の言葉がちんぷんかんぷん過ぎて、


「ちょちょちょ.......ちょ待って?」


と思わず話に横入りしてしまった。

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