3度目に、君を好きになったとき



2年に進級し、私は未琴や椎名さん、真鳥と同じクラスになった。

本音を言えば、真鳥とは別のクラスがよかった。

この前のことがあるから、彼とはなるべく距離を置いていたい。

私の過去を知る人なんて……。



「おはよー、白坂さん」


ポンと肩を叩かれ、振り向くと椎名さんが爽やかな笑顔で立っていた。


「椎名さん。おはよう」


出席番号順なので、席が私の前だ。
仲の良い子が近くで良かった。

椎名さんみたいな人気のある子が、こんな私と仲良くしてくれるなんて……とありがたく思ってしまう。


真鳥とは席が離れることができたので、ひとまず安心。

でも真鳥の方が後ろの席だから、見張られている感じがして居心地が悪い。


「結衣、緋彩(ひいろ)。一緒のクラス、よろしくね」


私たちの背中に触れた未琴が、笑顔で声をかける。


「うん、よろしくね」

「よろしく、未琴」


未琴と椎名さんが同じクラスなら、きっと大丈夫だよね。

真鳥とも仲が良いみたいだし。

何かあっても、助けてくれるはず。


そう前向きに考え、私は一時限目の準備を始めた。
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