3度目に、君を好きになったとき
帰り道、途中で近くの公園に寄っていくことになった。
いつか真鳥とも来たことのある公園だ。
夕日が消えかけ、薄暗くなってきたため、遊具で遊んでいた子どもたちも帰り始めている。
私達は公園の端に置かれたベンチに座り、話の続きをすることにした。
「千尋の本音はわからないけど。僕はなるべくなら、付き合って欲しくないって思った。
……結衣は、千尋のことをどう思ってる?」
そう尋ねてくる蓮先輩の瞳が、不安げに揺れていたのは気のせい……?
「千尋先輩は、私にとってお兄さんみたいな存在で、恋愛の対象としては見たことがないというか」
「……そう」
蓮先輩は静かにうなずくけれど、瞳の翳りは変わらないまま。
「それなら、また結衣のことを誘ってもいいのかな」
「あ、はい。……嬉しいです」
「本当に? 無理をしているなら、断っていいんだよ」
「いえ、無理はしてないですよ」
私は慌てて両手を振る。
「次はいつ会えるのかな、なんて、待っていたくらいなんですけど」