3度目に、君を好きになったとき

「先輩は……前に忘れられない人がいるって、部活のときに話してましたよね」

「……うん」

「それなのに私と出かけて、大丈夫なんですか? その人に誤解されるかも」


不安に思いながら隣を見上げると、先輩は小さく笑顔を作って私の目を見た。


「それは、もういいんだ。大丈夫だから、結衣は何も気にしないで」


蓮先輩がそう言うなら、忘れられない人の存在はもう、先輩の中に無くなってしまったのだろうか。


それなら……問題ないのかな、私が隣にいても。

先輩がどういうつもりで誘ってくれているのかがわからないから。

しばらくは、そばにいてもいいのかな。


先輩に誰か、好きな人が現れるまで……。



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