3度目に、君を好きになったとき

「それなら月曜の昼休み、空けておいて」

「わかった」

「──じゃあ俺、部活行くから」


素っ気なく話を終わらせた真鳥は、さっさと背を向け遠ざかっていった。


彼の後ろ姿を見送っていると、誰かの気配を感じ、そっと振り返る。


「──結衣?」


ちょうど階段を降りてきたのは、蓮先輩だった。


「今……、真鳥君といなかった?」

「……はい」

「前も一緒にいたね、彼に何か相談ごとでもあるの?」


動物園のときのことを言っているのだと思う。

あれは誤解されても仕方ない。

ただの同級生に額を触られているなんて、明らかに不審だ。


真鳥は『熱があるか確かめていた』と誤魔化したけど、はたから見れば、友達以上の関係と勘違いするだろう。
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