3度目に、君を好きになったとき
どう答えれば正解……?
蓮先輩には特に、私の過去のことは知って欲しくない気がする。
もし過去を知られて嫌われたらと思うと、ショックで寝込みそうだから。なるべく隠したままにしておきたい。
私自身も知らない、過去を。
「未琴のことで……、ちょっと相談があって」
「永野さんのこと?」
「はい。だから何でもないんです」
真鳥とは、何もない。
暗に伝えるためのセリフは、早口になっていた。
「そっか……。ごめん、詮索しすぎた。あのとき、真鳥くんが結衣の過去について、何か弱みでも握っているのかと思ったから」
「弱み……」
「少し心配になっただけなんだ、本当にごめん」
「――蓮?」
眉を下げ、済まなそうに謝罪する蓮先輩の台詞に、誰かの声が被さる。
「急にいなくなったと思ったら、こんなところにいたんだね」
現れたのは蓮先輩の元恋人、三井先輩だった。
「二人って……、付き合ってるの?」
険しい目つきをした三井先輩が、私たちへ詰め寄る。