3度目に、君を好きになったとき
月曜日になればきっと、真鳥が私の過去について教えてくれるはず。
でもその前に、自分で少しは記憶を取り戻しておきたかった。
他人から聞いただけでは、実感がわかない。
怖いけれど、思い出したい。
一体、私は何を、いくつ忘れているんだろう。
知らないうちに先輩に対して失礼なことをしていないか、不安でたまらなくなる。
私は蓮先輩に、どうにかして触れてもらおうと考えを巡らせた。
でも、まさか先輩に『手を繋いでもらえますか』なんて頼んだり、いきなり抱きついたりできるはずもなく。
さりげない方法はないかと必死に画策していた。
どうしよう。
どうしたら、変に思われずに触ってもらえる……?
「結衣、大丈夫? 具合でも悪い?」
想いが伝わったとは考えにくいけれど。
先輩が突然、私の顔を覗き込んだ。
「……あの。何だか私、熱があるかもしれないです」
「えっ……確かに、顔が赤いね」
そっと私の前髪をよけ、先輩は遠慮がちに額へ触れてくれる。
ひんやりとした感触が心地良い。