3度目に、君を好きになったとき
7.未完成の夕空
*
私の斜め前を歩く蓮先輩は、普段よりも口数が少ない。
何より、笑顔がなかった。
どことなく冷たい横顔で、近寄りがたい雰囲気を漂わせている。
何か気にさわることをしてしまっただろうか。
聞きたいけれど、とても聞けない空気で。
未琴に忠告されたことを意識したせいもあって、うまく会話が弾まなかった。
*
全体的に白っぽい外観。洋館という印象のその家が、蓮先輩の住む家だった。
大きな石畳の上を歩き、家の中へと案内される。
家族の人は皆、出かけているらしく、辺りは静まり返っていた。
カタ、と先輩が廊下に鞄を置いた音さえも、妙にクリアに耳へ届く。
「どうぞ」
「お邪魔します……」
かすれた声が吹き抜けの玄関に響く。
「そんなに、緊張しないでいいよ」
そこでようやく先輩が目元を緩めたので、ほっとして家の中に上がることができた。
私の斜め前を歩く蓮先輩は、普段よりも口数が少ない。
何より、笑顔がなかった。
どことなく冷たい横顔で、近寄りがたい雰囲気を漂わせている。
何か気にさわることをしてしまっただろうか。
聞きたいけれど、とても聞けない空気で。
未琴に忠告されたことを意識したせいもあって、うまく会話が弾まなかった。
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全体的に白っぽい外観。洋館という印象のその家が、蓮先輩の住む家だった。
大きな石畳の上を歩き、家の中へと案内される。
家族の人は皆、出かけているらしく、辺りは静まり返っていた。
カタ、と先輩が廊下に鞄を置いた音さえも、妙にクリアに耳へ届く。
「どうぞ」
「お邪魔します……」
かすれた声が吹き抜けの玄関に響く。
「そんなに、緊張しないでいいよ」
そこでようやく先輩が目元を緩めたので、ほっとして家の中に上がることができた。