3度目に、君を好きになったとき
やっぱり、未琴の言っていたことは本当だったみたいだ。
二人の関係はまだ、続いていると。
あの日、自宅のアトリエに誘ってくれたのは、ただの気まぐれで。
知らないうちに嫌な思いをさせてしまった私のことは、もう二度と誘ってくれることはないだろうと感じた。
教室に近づくにつれて、どことなく不穏な空気に変わっていく。
『ほら、あの子じゃない?』
『ああ、あの子ね……』
『柏木先輩と三井先輩の仲を引き裂いたくせに、沢本君のことも狙っているらしいよ』
『そんなふうに見えないのにね、サイテー』
『三井先輩、かわいそー』
廊下で顔を寄せ合う生徒たちは、私の方をちらちらと見て、眉をひそめたり嗤ったりしていた。
どうしてそんな噂が?と、首を傾げたくなった。
最近、沢本君とは挨拶すらしていないのに。
「おはよう、未琴」
「……ああ、おはよ」
ざわつく教室に入ると、未琴までもがなぜかよそよそしく目をそらす。
普通に接してくれているのは、椎名さんくらいのものだった。