3度目に、君を好きになったとき

私は中学時代、周りから嫌われて、いじめられていた……。


薄々、そんな気はしていたけれど。

いざその事実を突きつけられ、自分の好きな人たちにまで過去を知られてしまうと、いたたまれない気分になる。

本当は今すぐ、ここから逃げ出してしまいたい。


でも……。何かを言わないと、一方的に誤解されたままだ。

そう思い立ち、必死で蓮先輩に気持ちを伝える。



「私は、蓮先輩に嫌われたとしても。先輩の絵はずっと好きです。好きでいさせてください……」

「――結衣」


蓮先輩が目を見開く。

ほんの欠片でも、私の想いが彼に伝わっただろうか。


三井先輩は小さく舌打ちをして、私の台詞はなかったかのように説得を再開した。


「この子のそばにい続けて、蓮まで周りから嫌われたらどうするの。一緒にいれば、変な目で見られるよ」

「……どうして、僕も結衣を嫌わないといけないの?」


蓮先輩は静かに問い返した。


「だって、みんなから嫌われていた子だよ? 一部からとはいえ、いじめられていたんだよ!?」


蔑んだ目で、三井先輩は私を睨みつける。



「たとえ、過去に嫌われていたからって、今の結衣のことを嫌う必要があるの……?」


三井先輩とは対照的に、蓮先輩の声に怒りや蔑みは含まれていない。
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